2011年 05月 15日
PHOTO REPORT ~ 不死鳥と餃子 ゆりあげ港朝市inエアリ・名取 ~ |
宮城県名取市にあるイオンモール名取エアリ西側駐車場にて午前6時から10時まで開かれている「ゆりあげ港朝市」に行った。
もともとの「ゆりあげ港朝市」は、名取市ゆりあげ漁港で毎週日曜朝に開かれていた宮城県内で最大規模の朝市だったが、3月11日の震災によりゆりあげの港も壊滅的な被害を受け朝市を続けることが不可能になった。
現在は上記大型ショッピングセンターの駐車場に場所を移し、2011年4月17日(日)から毎週開かれている。
新鮮な魚介類を始め、野菜、生花、ソバなどの屋台が並び、家族連れをはじめたくさんのお客さんで賑わっていた。
そんな中、元気な呼び声と香りにつられ、中国料理「豊華」さんの水餃子(5個いり300円)を一椀食べてみた。
モチモチの皮の中に、ジューシーなひき肉が詰まっている熱々の水餃子で、朝食にぴったりだった。
店主の早川さんが、お店は仙台市内にあり無事だったが、ゆりあげの朝市のために置いてあった営業車が津波で破壊されてしまったと、写真を見せながら話してくれた。
一緒に働いているご家族の方や中国紙の記者の方と中国語で会話をしていたのでてっきり中国の方だと思っていたのだが、ご両親が中国残留孤児で20年前に日本に帰ってきたのだそうだ。
こんなに美味しい水餃子が作れる理由が分かった気がした。
その他、濃厚な味のスープがじわりと出てくる小籠包もかなり美味しい。
僕が明日から気仙沼へ行くと言うと、「なにか向こうの避難所などで食べ物に困っていたら電話して」と電話番号を教えてくれた。
この朝市に参加しているのも同じだろうが、被災地の方へ何かしたいのだと言っていた。
早川さんの友人である中国紙記者のチョウさんに、僕は3月11日に雲南省にいてテレビで地震の報道を見ていましたというと、あのような報道は中国では初めてのことだと言った。
それまで中国国内で報道される日本に関するニュースやNHKの映像は、必ず編集されて使用されていたのだそうだ。当然生中継の映像などが中国国内で流されることなどは無かったらしい。
しかし僕も見ていたように、地震に関してはほとんどNHKからの生中継の映像がそのまま中国のニュースとして放映されたのだ。
またその後の震災関連のニュースもほとんど手を加えられることなく使用されていた。
その映像の中の日本人は震災被害に苦んだり、亡くなった家族を悲んだり、助け合って極限状況を乗り越えようと努力したり、支援してくれた人へ笑顔で感謝したりしていた。
それは今までの日本人に対する報道とは全く違ったもので、日本人も自分たち中国人と変わらないのだということを初めて知った人も多くいたそうだ。
今の状況を乗り越えた先には、より良くなった日本はもちろんだが、今までとは違う「世界」もやってくるのではないかと思った。
/* ----- 名取 - 宮城 - 2011 - Nikon D700 ----- */
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by kidai_y
| 2011-05-15 20:35
| 写真・東日本大震災