2012年 06月 06日
PHOTO REPORT ~ アジサイと縁結び ~ 成就院@鎌倉 |
2012-6-1_13:51
アジサイ寺として有名な鎌倉にある成就院。
江ノ電の極楽寺駅を降りて緩やかな上り坂になっている極楽寺坂切り通しの一番上辺りに建っている静かなお寺です。小さな花が毬のように丸く集まったセイヨウアジサイが多く植えられていて、6月中旬頃になると境内は満開のアジサイの花で包まれます。
特に有名なのは由比ヶ浜を遠くに見降ろす下り坂。
1枚目の写真の場所です。この時(2012年6月1日)はまだ咲き始めの様子でしたが、もうしばらくすると青や紫のアジサイの花と葉の濃い緑色で坂の両側が埋め尽くされることになります。
成就院はアジサイの他にもう1つ、「縁結びの寺」としても有名だそうです。
小ぢんまりとした境内には「パワースポットはこちら」という看板が立っていて、そこには御本尊である不動明王の分身が立っています。結んでいただける御縁は人やチャンスなど色々なのですが、その中でも恋愛を結ぶ恋愛成就を押しているようです。
さて、ここで気になるのが(普通は気にならないかもしれませんが・・・)不動明王と縁結びはどういう関係にあるのかということです。
鎌倉の成就院は、真言宗の開祖である空海が加持祈祷をしたと言われる場所に、承久元年(1219年)鎌倉幕府三代目の執権 北条泰時が不動明王を御本尊として真言宗の寺を建立したのが始まりです。
不動明王とは密教である真言宗の本尊である大日如来の化身とされ、仏法を守り衆生(我々)を救うためには実力行使も辞さない行動・武闘派の仏さまです。
密教が大願成就のために行う護摩焚きや加持祈祷の儀式の対象でもありますが、恋愛成就の護摩焚きでもすれば別ですが、縁結びとの関係は薄いような気がします。
縁結びの神様として良く知られているのは、出雲大社の御祭神である大国主命(オオクニヌシノミコト)です。大己貴命(オオナムチノミコト)など多くの別名があります。
国造り神話で葦原中国(日本国)を生み出したイザナギ、イザナミの子供スサノオの子孫で、葦原中国(日本国)の国造りを行ったとされています。国造りの神、農業の神、商業の神、医療の神でもあり、最終的には出雲大社の祭神になります。
大国がダイコクとも読めるので、福の神である大黒様と習合(一体化)されて民間信仰の対象にもなっています。古事記には因幡の白ウサギの話などに登場しますね。
それではなぜ、国造りや農業、商業などの神様である大国主命が縁結びの神とされているのでしょうか。主に2つの理由があります。
1つ目は、大変なプレイボーイだったということ。
彼は国造りにかこつけて、行く先々の土地で恋人を作り子供を設けました。ちゃんと結婚した女神だけでも6柱(神様は人ではなく柱で数えます)、子供の人数は180柱とも言われます。
2つ目は、全国から八百万(やおよろず)の神々が集まる出雲国のトップであったということ。
10月のことを神無月といいますが、これは10月になると全国の神々が相談をするために出雲国に集合してしまうので、その時期は出雲国以外の日本中から神様がいなくなってしまうということからきています。ちなみに出雲国では10月のことを神有月というそうです。
その会議では、神様たちが人々の縁をどう結ぶかという相談をするのだそうです。たくさんの人が暮らす日常の中では人やモノや機会などとの様々な縁がとても大切になるので、それらを神様は相談しながらすこしでも日本が良くなるようにあれこれ調整しながら結び付けているわけですね。
成就院の縁結びは不動明王の御利益というよりも、不動明王に対して祈る色々な「成就祈願」の1つとして縁結びに焦点を当てているということなのでしょうね。
ちなみにアジサイの花言葉は、
「移り気(浮気)」「高慢」「冷淡」
だそうです・・・。
※アジサイの花言葉には「辛抱強い愛情」「元気な女性」というのもありますよ。
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by kidai_y
| 2012-06-06 22:47
| 写真:日本