アジアのカケラ

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PHOTO REPORT ~ 八幡平の不思議 ~ 安比@岩手

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2012-6-30_17:30



 松尾鉱山跡や松川地熱発電所のある岩手県八幡平。
 スキー場で有名な安比高原の近くに、「ブナの二次林」というブナの森があります。
 まっすぐに伸びたブナの木が整然と幾重にも並んでいますが、適度に間隔があいているので空からの木漏れ日が地表を照らすので、森とはいえ明るく清々しい雰囲気です。

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 今から80年ほど前、このあたりにあったブナ林は木炭や漆器の材料にするためにほとんど全ての木が伐採されます。
 手鋸では切り倒すことが出来なかった大木のほか、1haに1本くらいの割合でブナの木が残されたそうです。
 しかしその後、残されたブナの木から落ちた種が芽を出し、時間をかけて大きく成長していきました。幼木の成長を妨げるような下草も、当時放牧されていた牛がきれいに食べてくれました。
 そして80年後の現在、私たちはこの場所で再びブナの森を見ることができるようになりました。

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 二次林とは、噴火や台風などの自然災害や人の手による伐採で一度失われてしまい、その後自然に再生した森林のことをいいます。
 安比のブナの二次林の広さは100ha。
 東京ディズニーランドとディズニーシーを合わせた広さと同じです。
 随分広いんだなあと感心したのですが、安比高原スキー場は282haもあるのだそうです。
 なんだか複雑な気分です・・・。

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 八幡平には、
   自然を犠牲にしながら産業に貢献した「松尾鉱山」、
   人の手により失われ、再び復活した「ブナ林」、
   再生可能エネルギー発電施設の「松川地熱発電所」、
 という、過去と現在と未来の象徴のような3つの場所が揃っています。
 他にもこんな場所がまだまだあるのかもしれませんね。


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/* ----- 安比 - 岩手 - 2012 - Nikon D700 ----- */



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by kidai_y | 2012-09-14 23:21 | 写真:日本

PHOTO REPORT ~ 地熱の力 ~ 八幡平@岩手

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2012-7-1_15:46



 森の中に突如現れる大きな円筒。
 高さは45m。カクテルを作るメジャーグラスを逆さにしたような、上から1/3のところでくびれている不思議な形だ。
 てっぺんからは白い蒸気がもくもくと上がっている。


 岩手県八幡平市、松川渓谷沿いにある松川地熱発電所は、1966(昭和41)年に日本で初めて実用運転が開始された地熱発電所です。23,500kwの発電量があります。
 地熱発電は地下から噴出する蒸気の力でタービンを回し発電します。円筒は地下から噴出した高温の蒸気を自然冷却するための冷却塔なのでした。

 施設の入り口に、松川地熱発電所松川地熱館という見学施設があり職員のおばさんが一人でいるほかは、発電所内に人の気配はありません。管理は離れた雫石の事務所から遠隔操作で行うので、常駐するオペレーターなどはいないそうです。
 すぐ近くには、白く濁る強烈な硫黄泉が特徴の松川温泉があります。

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 太陽光、風力、水力など、燃料を必要としない発電方法が注目されているのはご承知のとおりです。
 地熱発電もその1つで、日本国内には23,470,000kw分の地熱エネルギーがあると言われています。しかし日本国内で現在稼働している18箇所の地熱発電所から生まれているのは539,700kw。国内の総発電量に占める割合も0.3%弱しかありません。

 発電コストは約9円/kwhで、原子力発電の場合とほぼ同じです。 
 しかし地熱発電は他の発電方法と比べ、初期コストが1kwあたり約100万円(風力発電 20万円/kw、太陽光発電 37万円/kw、原子力発電所 45万円/kw)と高くなってしまいます。
 付近の温泉地(地熱発電に適した場所は温泉地であることが多い)への影響も考慮しなくてはなりません。
 建設に適した場所が国立公園などに指定されている場合が多く、建設が法令で禁止されていることも、地熱発電所が増えない原因の1つとなっています。
  
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 そんな地熱発電ですが、福島原発事故を受けて国立公園内への建設に向けての法令改正や、周辺温泉への影響評価の見直しなどが勧められているようです。
 環境省と経済産業省は、国立・国定公園内の地熱発電の候補地として北海道、秋田県、福島県内の6地区を検討し始め、福島県磐梯朝日国立公園内に国内最大規模の地熱発電所を建設ことが決定しました。

 国内最大といっても、原発1基の約1/4に過ぎません。
 しかし1つ1つの発電量が小さくても、場所や需要に合わせて風力や地熱、波力などを組み合わせていけば全体では大きな電力を生み出すことになります。

 いつの間にか節電が日常の当たり前になってきたように、電気そのものの作り方や使い方、考え方などがこれから変わっていくかもしれませんね。
 




 『松川地熱発電所松川地熱館』
   場所 : 岩手県八幡平市松尾寄木
   時間 : 9:00~16:00   
   休館 : 11月中旬~4月下旬冬期閉館
       開館期間中は火曜日
   電話 : 019-625-6355



/* ----- 八幡平市 - 岩手 - 2012 - Nikon D700 ----- */



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by kidai_y | 2012-09-13 12:53 | 写真:日本

PHOTO REPORT ~ 雲上の楽園・・・ ~ 松尾鉱山@八幡平

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2012-7-1_12:11



雲上の楽園


 雲上の楽園。
 かつてそう呼ばれた場所は今、錆びた製錬所跡や崩れかけた鉄筋マンションだけが残る廃墟になっています。
 ブナやミズナラなどの落葉広葉樹林が多くを占める八幡平の中で、その場所の周りには木がほとんど生えておらず、ススキやクマザサの生い茂る草地が広がっています。



松尾鉱山


 岩手県八幡平市(旧松尾村)、スキー場などもある八幡平温泉郷から県道23号線(アスピーテライン)を秋田方面へ30分くらい走った標高900mの高原に松尾鉱山がありました。
 1882(明治15)年にこのあたりで硫黄の露頭(鉱物の塊が地表に現れている部分)が発見されます。1914(大正3)年に松尾鉱業(株)が設立されてから本格的な硫黄の採掘と精錬が行われるようになり、1935(昭和10)年頃から生産量が急増し、国内需要の約8割を占めるまでになります。

 それに伴い周辺には鉱山町が形成されました。
 1935(昭和10)年に4,145人、1940(昭和15)年に8,152人、最盛期の1960(昭和35)年には13,594人に達したといいます。
 当時は画期的だった水洗トイレやセントラルヒーティングを完備した鉄筋コンクリート作りの集合マンションが建設されたほか、小中学校、病院、劇場などが揃った都市が、八幡平の高原の中に出現しました。
 
 1914(大正3)に敷設された鉄道は、最初は7キロほどの距離を手押し車で移動するようなものでしたが、1934(昭和9)年には蒸気機関車が導入され、1951(昭和26)年には電化が実現し上野駅からふもとの東八幡平駅まで直通列車が運行されるまでになります。


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閉山へ


  活況に沸いた松尾鉱山も、1960年代に入ると状況が一変します。
 この時期、国内では公害規制が重要視され始めるのです。
  1910年頃 イタイイタイ病、1956年 水俣病、1965年 第二水俣病(新潟)、1960年 四日市ぜんそく、など相次いで大きな公害問題が発生します。
 
 石油精製時に義務付けられた脱硫過程により、安価な硫黄が生産されるようになると採掘ではコストがかかりすぎるため、次第に生産量も減少していきます。
 1969年(昭和44)年、松尾鉱山(株)は会社更生法を申請して倒産します。その後新会社を設立して立て直しを図りますが、1972年(昭和47)年に遂に閉山となります。



鉱山と公害問題


 閉山となった理由には硫黄の市場価格に対抗できなくなったことの他に、
もう一つ大きな理由があります。
 「公害問題」です。
 もともと硫黄を精錬するときに出る煙によって鉱山周辺の土壌が強い酸性になってしまい、八幡平の森は草も生えないような荒地になっていました。これだけでも大きな環境破壊といえます。
 更に重大な問題が「鉱毒水」でした。
 硫黄精錬の時に使う水は強い酸性になってしまいます。また廃坑から流出する排水は、ヒ素を含むpH2前後の強酸性でした。
 毎分17~24トンの大量のヒ素を含む強酸性の排水が松尾鉱山から下流の赤川、北上川にそのまま流れ込み、岩手県内はもとより、宮城県北部、北上川が流れ出る太平洋沿岸にまで甚大な影響を及ぼすことになったのです。
 1932(昭和7)年には周辺住民から岩手県知事宛の嘆願書が提出され、メディアでも取り上げられて社会問題へと広がっていきます。鉱山側は様々な対策を取りますが解決には至らず、1948(昭和23)年の松川用水路完成まで鉱山は多額の賠償金を支払い続けることになります。

 現在は1982(平成)年に稼働した中和処理施設が、24時間体制で大量の汚染水を毎分18トンのペースで中和しています。この施設による処理費用は年間5億円以上かかり、岩手県にとっての大きな負担となっています。 



 経済活動と公害問題。
 今も昔も変わっていません。
 原発事故が公害と言えるかどうか分かりませんが、汚染物質による自然うや人体への影響、人がいなくなってしまった町、閉山後(廃炉後)もずっと続く様々な処理作業。

 時間がかかっても、再び「雲上の楽園」が戻ってくればいいですね。


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by kidai_y | 2012-09-12 21:28 | 写真:日本

PHOTO REPORT ~ 森のぬけがら ~ 安比@岩手

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2012-6-30_17:35



 ブナの林の中を歩いていると小さなセミの抜け殻を見つけた。
 太い幹にしっかりくっついている。
 地面から1mほどの高さなので腰をかがめて覗き込んでみる。
 梅雨明け間近のブナ林はたくさんの新しい葉に包まれていて、抜け殻は緑の光に透けていた。
 かたい窮屈な幼虫の身体から抜け出して羽化したセミ本体は今頃どこかで自由を満喫していて、ここには文字通り生命力の失われた抜け殻だけが残されているのだけれど、木々の隙間から射す光がきれいに透けていて、緑色の森の粒子が詰まっているように感じた。





 セミの抜け殻のことを「空蝉」というそうです。
 中身のなくなった抜け殻の寂しくて空っぽな様子を表しています。
 
 しかし子どもが同じものを下から見上げると、青い空が透けて見えると思います。
 そうなると「空蝉」は、子どもにとっては「蝉の空」となるかもしれませんね。


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 空蝉の身をかへてける木のもとになほ人がらのなつかしきかな - 光源氏 -





 ※ 空蝉はセミ自体のことも言います。


/* ----- 安比 - 岩手 - 2012 - Nikon D700 ----- */



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by kidai_y | 2012-07-19 21:30 | 写真:日本

PHOTO REPORT ~ 御当地キャラ、ゆめちゃんと一本松 ~ 陸前高田@岩手

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2012-3-8_12:26



 岩手県陸前高田市の一本松。
 海を背にすらりと立つ印象的な姿は、陸前高田市や岩手県にとどまらず、一時はおよそ16mの津波にも耐えたことから復興を想起させ被災地全体を象徴するシンボルとなっています。
 例えば、2012年3月5日から募集を開始している、財務省が発行する「記念金貨・銀貨つき復興応援国債」。
 3年間保有した人が貰える硬貨の裏面には「一本松」がデザインされています。3年後に残高1,000万円で金貨1枚、残高100万円で銀貨1枚なので、なかなか手は出ません・・・。

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 そんな一本松ですが、様々な延命治療が施されましたが残念ながら海水により根が腐り立ち枯れてしまっていて、このままではいずれ倒木してしまう状況です。
 陸前高田市は復興を語り継ぐためのモニュメントとして一本松に防腐処理を施し保存することを決めました。現地で保存するのか場所を移すのかは今後検討を行っていくとのことです。
 9千万円以上になると予想される防腐処理費用等は、市が「フェイスブック」のページを通じて国内外から資金を募ることになるそうです。フェイスブックを通じて市の特産品も販売し、最終的には100店舗からなるオンラインショップを計画しています。
 明確に目的を持ってフェイスブックを利用すれば、口コミで情報が広まるのは早いですし、海外からの資金も集めやすいと思われます。一本松の保存資金を集めるだけではなく、陸前高田市の特産品販売を行うことは行政主導型の市場や販路の開拓ということになります。
 自治体による地域経済振興の1つの試みとして、今後が楽しみですね。

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 さて、陸前高田には「一本松」の他にもう1つ(1人?)キャラクタがいます。
 その名は「たかたのゆめちゃん
 シルエットなど大人の雰囲気で表現される一本松とは対照的に、パステルカラーの丸くてかわいいキャラクタです。 
 陸前高田の未来を担う子供たちの夢や希望を後押しする応援団長として、そして陸前高田復興のシンボルとして誕生しました。特定非営利活動団体 陸前高田市支援連絡協議会 Aid TAKATA が「夢☆キャラプロジェクト」全国から公募したものです。

 一本松のシルエットは先ほどの復興国債特典硬貨のほか、陸前高田市内の生産者が販売する商品のパッケージに使用されています。また様々な一本松グッズを市内で製造しています。
 「たかたのゆめちゃん」も色々なキャラクタグッズが作られ、販売されています。
 
 シンボルマークやキャラクタによって陸前高田市や被災地の復興がイメージしやすくなれば、時間が経っても他の地域からの注目が集まりやすいですし、全国への情報発信も幅が広がります。

 「たかたのゆめちゃん」もこれからがんばって被災地応援キャラクタとしてではなく、「ひこにゃん」や「くまモン」「にしこくん」「ホヤぼーや」のように、陸前高田発の御当地キャラクタとして全国で活躍できるようになってほしいですね。


/* ----- 陸前高田市 - 岩手 - 2012 - Nikon D700 ----- */



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by kidai_y | 2012-07-03 22:13 | 写真・東日本大震災

PHOTO REPORT ~ 盛岡冷めんのブランド力 ~ 盛岡@岩手

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2012-3-20


一、地域ブランドとは --------------------

 1、ある特定の地域で生産あるいは提供される商品等であって、
 2、他の地域で生産あるいは提供される商品等と明確に差別化し、その個性について一定の肯定的評価が確立されている商品等、

のことを言います。


 前々回の記事で地域ブランドは名乗りさえすればいいと書きましたが、やはりブランドの信用度を増すためには公的な保障が大切となります。
 そのため最も効果的なのは地域ブランドとして「商標登録」をすることです。
 商標登録をしてしまえば、その名称を独占的に使用することが可能になり、他の商品を排除することができます。

 例えば、日本を代表する米である「コシヒカリ」の中国名「越光」は中国国内で既に中国企業によって商標登録されているため、「コシヒカリ」を「越光」という名前では売ることができません。新潟のJAなどが異議申し立てを中国当局に行ったものの、認められてはいません。
 同様の問題は他にも数多くあり中国国内での法規制や意識向上が求められていますが、「米沢牛」はJAおきたま(川西町)の異議申し立てが認められ、中国での商標使用権が白紙になり、改めてJAおきたまが対応を検討しているのだそうです。
 つまりこのように一度商標登録をしてしまえば、同業他社・他地域に対して非常に有利に販売することができるようになりますし、消費者にとっては信頼性を示すことになります。国内産の野菜の方が海外さんに比べて(価格は高いかもしれませんが)安全だというアピールになるのと同じようなことです。


二、地域ブランド登録の対象 --------------------

 登録の対象とされるのは商標なので商品そのものではなく、その「商品の名称(文字)」や「共通して付けられる他と区別するためのシンボルマーク(文字と図形の組み合わせ)」になります。
 地域ブランドは名称なので口で言うだけでも要は足りるのですが、商品として売ろうとするためには名称を目に見える形で示すことが必要となるので、文字やマークを登録する必要が生じるのです。

 しかし、地域ブランドとしての商標登録が認められるのにはかなり高い審査基準が求められます。自称地域ブランドにまで簡単にお墨付きを与えるわけにはいきません。
 「文字名称」が認められるには「全国的な知名度」が必要になります。どの程度の周知性が必要になるのかというと、「地域の特産品として教科書で紹介される程度」くらいの知名度です。
 例えば「夕張メロン」や「西陣織」「宇治茶」などです。以前紹介した「前沢牛」も商標登録されています。


三、地域団体商標制度 --------------------

 地域の産業や独自性を守り、発展させていくことに繋がる地域ブランドの存在価値は増す一方、商標登録制度の審査基準は厳しく、またシンボルマークなどは登録されたものと同じマークを使わなければ、他の地域のものを同じ名称で販売することができ、不十分なものでした。
 そこで2006年に誕生したのが「地域団体商標制度」というものです。
 全国的な周知性から複数県に渡る範囲となるなど審査基準が緩和され、商標の新規取得がしやすくなりました。
 この制度により、日本各地に様々な「地域ブランド」が登場するようになりました。
 つがる弘前農業協同組合(青森県)の「嶽きみ(とうもろこし)」、宮城県味噌醤油工業協同組合(宮城県)の「仙台みそ」、越前漆器協同組合(福井県)の「越前漆器」、三ヶ日町農業協同組合(静岡県)「三ヶ日みかん」(商標登録されていた「マーク」だけでは不十分だったため、名称を別途登録したケース)、長崎県菓子工業組合(長崎県)の「長崎カステラ」など他にも数多くの地域ブランドがあります。


四、盛岡冷めん --------------------

 「札幌ラーメン」  「盛岡冷めん」  「信州そば」  「甲州ほうとう」  「名古屋きしめん」
 「出雲そば」  「さぬきうどん」  「長崎チャンポン」  「長崎炒麺」  「沖縄そば」

 盛岡冷めんは、日本各地に丸○○ラーメンや□□そばがある中で、公正取引委員会が指定した「名産・特産・本場・名物等の表示ができる、当該地で製造され、それぞれの基準に従った10品目の“めん類”」に含まれる、○○(岩手県)に商標登録された地域ブランドです。
 
 半透明でコシのある麺が甘辛いスープに入っている冷麺は日本中どこででも食べられるものだと思います。僕は今までこれが一般的な冷麺で、韓国料理と共に韓国の冷麺が日本国内で同時多発的に作られ始めたものかと思っていました。
 しかし昭和29年に盛岡で咸興風の冷麺が作られるまでは、平壌風というのが一般的だったそうです。その咸興風の冷麺が昭和61年、盛岡市が企画した「ニッポンめんサミット」に出品されたことから日本各地に知れ渡り、広まっていったのですね。
 なので今まで盛岡以外で食べてきたのは、地域ブランドである「盛岡冷めん」風の冷麺だったということになります。
 
 もともとは地域ブランド(当時はその制度はありませんでしたが)だったものが全国に広まって一般化してしまった珍しい例だと思います。
 「盛岡冷めん」についていえば、そのおかげで「本家」や「本場」という付加価値がより高くなり、盛岡名物としての観光アピールに絶大な効果を発揮しています。
 また品質を落とさないための基準を定めているため、消費者にとっての信頼性の証しともなっています。
 地域ブランドの見本のような存在なんですね。
 そしてもちろん、とても美味しいのです。


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「ぴょんぴょん舎 盛岡駅前店」
 住所 : 岩手県盛岡市盛岡駅前通9-3
 時間 : 11:00~24:00 (ラストオーダー23:00)
 定休 : なし
 問合 : 019-606-1067
 ホームページはこちら




/* ----- 盛岡 - 岩手 - 2012 - Nikon D700 ----- */



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by kidai_y | 2012-06-28 20:34 | 食べ物:アジア

PHOTO REPORT ~ 福田パンとご当地グルメ ~ 盛岡@岩手

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2012-3-24



 地域ブランドの威力は大きいですね。

 「さくらんぼ」と「山形のさくらんぼ」
 「メロン」と「夕張メロン」
 「うどん」と「讃岐うどん」
 「ズワイガニ」と「越前ガニ」
 「カステラ」と「長崎カステラ」
 「牛のお肉」と「前沢牛のお肉」
 「温泉」と「草津温泉」
 「海岸ドライブ」と「湘南ドライブ」


 確かにただの「さくらんぼ」よりも「山形のさくらんぼ」の方がなんとなく美味しそうな気がしますし、「夕張メロン」の方がお見舞いに持参した時に喜んでもらえるように思えますし、「草津温泉」の方が効き目がありそうだと考えてしまいます。
 もちろんおいしい「福井のうどん」もあるし、夜店の鈴カステラでとても満足することもありますし、ものすごい効能がある名もない山奥の秘湯だってあります。
 ブランド牛の中には(等級の良さを美味しさと関連付けて考えるならば)等級がピンからキリまで含まれるものもあれば、最高ランクのお肉しか名乗ることのできないブランドもあります。湘南海岸のドライブと言っても渋滞にはまってしまえばストレスで気持ちのよいドライブどころではないですし、好きな人と一緒に車に乗っていればどこの海岸だって素敵にドライブできるという考え方もあります。

 要するにブランドというのは、「それ」についての曖昧な「なんとなく」が集まり表象された「それ」の「イメージ」なのだと思います。
 しかしブランドが抽象的なものであったとしても、我々消費者や仕様者が同じようなものがたくさんある中からある1つを選択する際の判断基準に占める割合はとても大きいでしょう。
 我々が「それ」選択すればするほど、「それ」の知名度は上昇しブランドとしての力も上がっていきます。でもそのようにして高められたブランド力はやっぱり「イメージ」でしかありません。

 それでは、ブランドに具体性と与えるのは誰なのでしょう。
 食品や製品に限れば、「それ」の作り手であり、売り手なのだと思います。
 名付けた地域団体や自治体、商工団体、職人団体、農業団体などがそうです。作り手や売り手のプロとしてのプライドが、ブランドに具体性を支えるのです。

(・・・・ 長くなってしまったので明日に続きます)

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 「福田パン」は盛岡市内を中心に絶大な人気を集めるパンです。
 全国的な知名度はないので地域ブランドではありませんが、限定された範囲でのご当地グルメの1つですね。

 福田パンの特徴は、まずその大きさと重さ。
 柔らかいけれどもしっかりした歯ごたえのある大きなコッペパン
に、クリームやお惣菜がたっぷり挟まれていて、お店の方から受け取った時の、ずしりとした重量に驚かされます。男性でも両手で持たないといけなくらいの大きさです。
 もう1つの特徴は、組み合わせ自由な好きな具材を選んで、その場でパンにはさんでもらえること。(店舗や出張販売の時のみ)
 あんバター、チョコバナナ、ストロベリー、きなこなどの甘いものから、やきそば、タマゴ、コーンビーフ、メンチカツなどのお惣菜まで色々な種類が揃っています。
 例えば一番人気でカロリーも一番高い「あんバターのみ」155円、「抹茶+ミルク」165円、「タマゴ+コンビーフ」251円、などです。
 
 お店の方が手際よくクリームを塗りつけていくのを見ているだけでも、目の前で見ると楽しいものです。
 夜店など実演販売というのはいろいろありますが、コッペパンの実演販売というのは珍しいと思いました。それに、自分で選択できるというのも面白いです。
 ありそうでなかなかないタイプの販売方法ですよね。

 福田パンは盛岡市内のスーパーやイオンにも置いてありますが、定番の組み合わせが袋詰めされた状態です。イオンではたまに実演販売が行われることもあるそうですが、我々がせっかく福田パンを食べに行くなら、やっぱり店舗で作ってもらうのが一番!
 一食分には十分な量なので、旅先の食事の1つとして楽しむことができますよ。


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「福田パン 永田町本店」
 住所 : 岩手県盛岡市長田町12-11
 時間 : 7:00~17:00(売り切れ次第終了) 
 定休 : 無休
 問合 : 019-622-5896

 ※矢巾にも店舗があるようです。




/* ----- 盛岡 - 岩手 - 2012 - Nikon D700 ----- */



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by kidai_y | 2012-06-27 21:40 | 食べ物:アジア

PHOTO REPORT ~ ブランドうし ~ 前沢@岩手

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2012-1-20_9:16 前沢牛メンチ



 日本各地に存在する「○○牛」。
 旅行先などでは、幟や飲食店のメニューなどによく書かれていますね。行く先々で御当地牛を見つけ、「へえ、この辺りも牛が有名なのか(今まで聞いたことが無かったなあ・・・)」と思うこともしばしばあります。
 
 「○○牛」は「○○米」と同じように、地域ブランドの1つなので、○○=地域名ということになります。
 地域が有名になればそこに人が集まり○○料理や○○食材も有名になりますし、○○料理や○○食材が有名になればそれを目当てに人が集まります。
 地域ブランドといっても食べ物の場合は「そこ」でしか食べられないということは少なく、東京や大阪などの都会では日本中の大抵のものを食べることができます。
 しかし往々にして、その産地で食べた方が新鮮で、しかも幾分「お手頃な値段」で食べることができます。
 冬の福井の「越前ガニ」や、香川の「讃岐うどん」など食を目当てにその土地へ出かけることは一般的ですし、讃岐うどんなどはお店自体も御当地色が溢れているので旅行としても十分楽しむことができます。

 ところで、越前ガニや讃岐うどんのように、そこにしかない唯一のブランドならばとても分かりやすいですね。
 冬の福井に蟹を食べに行けば大抵出てくるのは「越前ガニ」ですし、本物には黄色いタグが付いているので見た目にも区別がしやすいです。
 讃岐うどんも中国企業が商標登録をして問題になっていますが、香川のうどん屋では中国のうどんはまず出ないでしょう。

 では牛はどうなのでしょう。
 ほとんどの御当地牛は「和牛」という品種です。黒毛和牛などがそうです。外国でも和牛が育てられることがあるそうですが、日本での流通量はほとんどありません。
 そして多分、国産です。国産というのは3ヶ月以上日本で育てられた牛を言います。実は外国で生まれた子牛を日本に連れてきて3ヶ月以上育てれば国産ということになってしまいますが、御当地名を付けているからには、純国産の牛でしょう。
 しかしブランド牛を登録するには、特に決まった基準や法律があるわけではありません。名乗りさえすれば良いらしいのです。
 実際は、ブランド牛は厳しい自主基準に基づいて名付けられていますので信用できるものが大半です。
 では牛の法的な基準は何かというと日本食肉格付協会がによる格付けです。肉質等級と歩留の組み合わせできまります。
 松坂牛などはランク5~1まで(5が最高)含まれていて、前沢牛は5と4のみです。仙台牛に至っては5であることが条件になっています。要は牛の基準はブランド名でなく、等級ということになりますね。もちろん等級が下でも美味しいことには変わりないので、最終的には食べる人の好みになりますが・・・。
 問題は、等級にこだわるとブランドを作っても(高価なので)消費が少なくなってしまいますし、等級基準を弱めるとブランド価値が下がってしまうことになり兼ねません。
 この2つのバランスが大切なんですね。

 前沢牛、おいしかったです。


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牛の鳴きまねコンテスト。ゆるい!でも面白い。


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前沢牛の煮込み



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by kidai_y | 2012-06-26 23:20 | 写真:日本

PHOTO REPORT ~ キリキリ ~ 吉里吉里・岩手

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2011-12-22_15:46



中学校の図書館に「吉里吉里人」という本があって、妙なゴロなので気になっていた。
結局読まずじまいで、井上ひさしが書いた東北のどこかの町が日本から独立をするドタバタ小説・・・、そのくらいの知識しかなかった。
それでも地図を見ることは好きだったので、岩手の三陸沿岸に吉里吉里という地名を見つけて実際にある町なんだと吃驚し、どんなところなんだろうと想像したりしていた。


地図上で想像していた吉里吉里は、実際に来てみると海に面したとても小さな町だった。
プレハブのコンビニの灯りが光っていた。

「吉里吉里人」に出てくる吉里吉里国は岩手県と宮城県の間にある設定なので岩手県上閉伊郡大槌町にある吉里吉里とは別なのだが、小説刊行当時は町おこしとして「独立国宣言」などのイベントが開かれたそうだ。


誰もいない海水浴場の向こうの海はとても静かだった。

次に来る時までには読んでおこうと思った。
その頃にはコンビニもプレハブではないだろうし、海水浴場にも人が歩いているだろう。



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/* ----- 大槌町吉里吉里 - 岩手 - 2011 - Nikon D700 ----- */





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 2011年4月~

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by kidai_y | 2012-02-09 20:36 | 写真・東日本大震災

PHOTO REPORT ~ かっぱも凍る ~ 遠野市・岩手

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2011-12-22_11:27



日本に数多いる妖怪の中でも、知らない人はいないくらい有名なのが河童ですね。

岩手県遠野市にも河童渕という、河童にまつわる伝承が残る渕があります。
柳田国男による「遠野物語」には6話ほど河童に関係する話が収録されています。


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小烏瀬川の姥子淵の辺りに、新屋の家と云ふ家あり。ある日淵へ馬を冷やしに行き、馬曳の子は外へ遊びに行きし間に、河童出でゝ其馬を引き込まんとし、却りて馬に引きずられて厩の前に来り、馬槽に覆はれてありき。

家の者馬槽の伏せてあるを怪しみて少しあけて見れば河童の手出てたり。村中の者集まりて殺さんか宥さんかと評議せしが、結局今後は村中の馬に悪戯をせぬと云ふ堅き約束をさせて之を放したり。其河童今は村を去りて相沢の滝の淵に住めりと云ふ。(遠野物語58)
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ここには河童と同じくらい有名なおじいさんがいて、訪れた人に河童についての民話を話してくれていました。おじいさんも子供のころ河童を見たのだそうです。

15年くらい前の夏にこの河童淵に来た時に僕もそのおじいさんに会いました。
遠野を訪れた事のある父からおじいさんの話を聞いたことがあって、僕も遠野に行ったらぜひ河童淵に行ってみようと思っていたのです。
あまりよく覚えていないのですが、河童淵(小川)のたもとに座り笑顔でいろいろと話をしてくれました。

今回久しぶりに河童淵を訪れてみたら、お堂の中におじいさんの写真が飾ってありました。
2004年に87歳で亡くなったそうです。
河童のようなおじいさんは、今は本当に河童と一緒に暮らしているのかもしれません。

それにしても、河童は寒い雪の日も出てくるのでしょうか?

ちゃぽん、と誰もいない水鳥もいない小川から水音が聞こえたような気がしたのですが・・・。



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荒神神社




/* ----- 遠野 - 岩手 - 2011 - Nikon D700 ----- */





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by kidai_y | 2012-02-08 21:27 | 写真・東日本大震災