2011年 10月 12日
PHOTO REPORT ~ 支援者のための気仙沼方言入門 ~ 気仙沼地方 |

「むむまっふぁ」
「わのかでぱん、しけるめになべさふぉんでゅせばうだでぐめよん」「せばだばやってみら」
軽自動車のテレビコマーシャルで聞いたことがある方がいるでしょうね。
「何?」「フランス語?」という疑問が残るなぞの言葉ですが、これらは日本の方言です。
肝心の車のことはあまり記憶に残らないのでコマーシャルとしてはどうかと思いますが、面白いアイデアですよね。(翻訳した文章はこの記事の最後にあります)
方言は、ネイティブの人にとっては日常的に使っている(かどうかはわかりませんが・・・)フレーズでも、知らない人にとっては大きなインパクトがあります。
青信号が点滅している横断歩道をゆっくり歩いている腰の曲がったおばあさんに、信号待ちのドライバーがこう声をかけました。
「はよしねま!」
福井出身の僕にとっては普通の声掛けです。何か問題でもありますか?
このように地域性が強いコミュニケーション手段である方言は、時として大きな誤解を生むことになります。
地方で暮らすためにはその土地の方言の理解が必要不可欠になりますが、旅行などでも少し知っていた方が地元の方と喋る時に役立ちます。なんだかまるで海外旅行のようですね・・・。
東北大学国語学研究室の小林隆先生を中心としたグループが制作した「支援者のための気仙沼方言入門」という冊子には、災害ボランティアで東北、とりわけ宮城県の気仙沼地域に入る方が知っておくと便利なフレーズや気仙沼弁の基礎知識が紹介されています。実際に支援者の方にアンケートを取り、地元の方と話している時に困った事例などを参考に作られているので結構実践的なものになっています。
「ツズみてあのツズサいぐ」
「はこをアゲル」
「チューチューシャよぶッペ」
「あどナゲねばワガンネ」
「コエーなぁ、クビタがイズイッペ」
実際に喋られると滑らかに繋がりますし、アクセントも標準語と違うので、もうなんのことやら分りません。
僕は5割くらいしか理解できないことがありました。
聞き流しても問題がない場合は良いですが、違う意味として受け取ってしまいお互いに迷惑を掛ける事態は避けなければいけません。
今までありそうでなかった震災と方言の関係。
3月の震災では東北地方の太平洋側地域が広く被災し、町がなくなったり移転を求められている場所が多くあります。また犠牲者の多くは地域の文化や方言を最も頻繁に使っていたであろう高齢の方々です。
震災が人々の暮らしだけではなく、被災地の文化や方言にどのような影響を与えたのか。支援と方言、そして失われつつある地域文化に対し今後どういう取り組みが求められるのか。
これからの研究と、冊子の更なる充実に期待したいと思います。
ちなみに冊子に描かれている茶色い帽子にサンマの剣を持った男の子は「ホヤぼーや」という、気仙沼市の公式キャラクターです。「ほやほーや」と聞き間違えそれは福井弁じゃないかと教えてくれた友人にクレームを付けたのですが、ほやではなくホヤでした。
見ているうちにだんだんかわいくてしょうがなくなってくるので不思議です。でも着ぐるみになるとがっかりするんでしょうね。
それでは、マタダイン!



「むむまっふぁ」→「ひざ(太もも)まくら」(沖縄宮古島の方言)
「わのかでぱん・・・」→ 「私の硬いフランスパン、焼きたてのうちにお鍋でフォンデュすれば美味しいわよ」「それではやってみるわ」(青森県の津軽弁。東奥日報の記事が面白いです)
「ツズみてあのツズサいぐ」→「地図見てあの辻へ行く」
「はこをアゲル」→「箱を開ける」
「チューチューシャ呼ぶッペ」→「救急車を呼ぼう」
「あどナゲねばワガンネ」→「もう捨てないとだめだ」
「コエーなあ、クビタがイズイッペ」→「疲れたなあ、首の辺りに何か違和感があります」
「はよしねま!」→「早くしなさいよ(早く横断歩道を渡りなさいよ)」
「ほや」→「そうですね」(福井弁の場合)
「ホヤぼーや」の「ホヤ」→これ
「マタダイン」→「また来てください」
/* ----- 仙台 - 宮城 - 2011 - Nikon D700 ----- */
by kidai_y
| 2011-10-12 20:01
| 写真・東日本大震災

