アジアのカケラ

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PHOTO REPORT ~ 方言と人と町 ~ 石巻市雄勝

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「方言は地域文化の象徴的存在であり、地域的アイデンティティの拠り所である」

(小林隆「われわれがなすべきこと―震災のなかの方言を前にして―」 出典:東北大学国語学研究室『東日本大震災と方言』2011年10月)


言葉は私たちが日常生活を送る上で欠かせないものであり、地域環境や文化に大きく影響を受けた地域ごとの独自性を持つものです。同じ文化でも「年中行事」や「風習」「祭り」などに比べて、「方言」は身近な存在であり過ぎるが故にその価値が見過ごされてしまわれがちです。
受け継がれた独特の祭を毎年行っている子供たちも普段は標準語に近い言葉を使い、年寄りの言葉が分らなかったりします。地元の年寄りの方言を耳にするより、テレビの中の標準語(ひどい言葉を使う方も多いですが)を聞く方が多いのです。


交通網の整備やインターネットメディアの発達、情報通信技術の整備が進み、大都市に人口や文化発信源が集中している現代においては、以前よりも地方と都市の文化的境界が曖昧になり、地域ごとの特徴が薄められ、生活習慣や文化の平均化が加速度的に進行しています。
日本全国どこの県でも放送されているテレビ番組の7割は同じネット局のものでしょう。放送曜日や時間は地域差がありますが、ニュース番組はもちろん、ドラマ、ゴールデンタイムの娯楽番組ならたとえ北海道から沖縄へ出張したとしても宿泊先のホテルで先週の続きを見ることができる状況なのです。


しかしそのような状況は、地方の独自性が失われていく原因になると同時に、地方独自のオリジナリティを外へアピールするチャンスにもなります。

祭り・風習・景観、郷土料理、そして方言。
見ること、味わうこと、聞くこと。

それらが一緒になって独自の魅力を作り出し、周囲に向けて発信していくことがこれからの地方文化に求められていくのではないかと思います。




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写真は石巻市雄勝町の中心部です。
御覧のように津波による甚大な被害を受けた地区の1つです。
このような地区が東北の太平側沿岸には数多くあります。

それぞれの地域には当然そこに暮らす人々がいて、受け継がれる風習や祭りがあり、産業があり(雄勝は硯石が取れるため硯生産が盛んです)、語られる言葉があります。

住む人がいなくなった場所では祭りを続けることも、言葉を受け継ぐこともできなくなってしまいます。町とともに文化も失われていってしまうのです。
「復興」の取り組みの中には、防災対策、インフラ整備、産業の再生だけでなく、そこで暮らしていた人たちが受け継いできた文化や言葉をどのように現状把握し将来に残していくかということも含まれなければならないと感じました。

見過ごされたり、後回しにされがちなことですが、大切なことだと思います。



/* ----- 石巻市雄勝 - 宮城 - 2011 - Nikon D700 ----- */




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by kidai_y | 2011-10-13 20:22 | 写真・東日本大震災