2011年 11月 11日
Photo Stream ~ 太宰的な秋 ~ けんこうの森・福井 |

2011_11_09
「ね、なぜ旅に出るの?」
「苦しいからさ。」
「あなたの(苦しい)は、おきまりで、ちつとも信用できません。」

「正岡子規三十六、尾崎紅葉三十七、斎藤緑雨三十八、国木田独歩三十八、長塚節三十七、芥川龍之介三十六、嘉村磯多三十七。」
「それは、何の事なの?」

「あいつらの死んだとしさ。ばたばた死んでゐる。おれもそろそろ、そのとしだ。作家にとつて、これくらゐの年齢の時が、一ばん大事で、」
「さうして、苦しい時なの?」
「何を言つてやがる。ふざけちやいけない。お前にだつて、少しは、わかつてゐる筈たがね。もう、これ以上は言はん。言ふと、気障になる。おい、おれは旅に出るよ。」
太宰治『津軽』(「太宰治全集第六巻」筑摩書房 1990)
なぜ旅に出るの?と問われて、こんな答えを返せる太宰。
小説『津軽』が書かれたのは1944年。太宰治が34歳の時です。
前年に娘が生まれ、この年には息子が生まれています。
そして4年後の1948年、38歳で亡くなります。
この言葉は奥さんに言ったものか、それとも愛人に言ったものか。
まあとにかく、僕にはこんなセリフとても言えません・・・。

/* ----- 清水町 - 福井県 - 2011 - Nikon D700 ----- */
♪ 津軽平野 / 吉幾三
by kidai_y
| 2011-11-11 20:38
| 写真:日本

