2011年 12月 15日
PHOTO REPORT ~ 目に見えないゴール ~ 石巻市・宮城県 |
2011_12_13_13:58
9ヶ月。
被災地は一歩一歩着実に”復興”に向かって歩み続けています。
交通の便は良くなり、物資不足も解消され、ライフラインもほぼ元通りになり、瓦礫の撤去も発生直後から比べれば目を見張るものがあります。
陸前高田や南三陸などでは「復興市」が賑わいを見せています。
確かにいろいろな物事が前へと進んでいます。
ではそのゴールはどこにあるのでしょうか。
「復興した!おめでとう!」と言えるのは、どんな状況になった時なのでしょうか?
「災害関係の研究をしている学生に『復興はいつになりますか?』という質問をされました。正直分からないと答えました。町や暮らしが元通りになれば復興したと言えるかもしれない。でもそうなっても、いつまでも悲しい記憶が忘れられない人もいるでしょうし、そういう方にとっては復興したとは言えないでしょう」
とボランティアセンタの方が言っていました。
それぞれにはそれぞれのゴールがあり、もう既にテープを切ってしまっている人もいれば、一生かかってもゴールにたどり着くことはできない人もいます。
またそのゴールはこういう条件を満たしたからとか、システマティックに決められるものでもないでしょう。
僕たちはそのゴールの線を引くことはもちろん、ゴールに向かって手を引いて連れて行ってあげることもできません。
なぜならその人が自分でテープを切らないといけないと思うからです。
でもゴールまでの道を歩きやすいようにしたり、足元をほんのり照らすことくらいはできます。
声をかけることもできます。
辛抱強く待っていることもできます。
そしていつか、一緒に言えるのがたった1人の人だけだったとしても「復興したねぇ。嬉しいねぇ。頑張ったねぇ。」と笑えるようになりたいです。
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/* ----- 石巻 - 宮城 - 2011 - Nikon D700 ----- */
by kidai_y
| 2011-12-15 19:52
| 写真・東日本大震災