2012年 02月 21日
PHOTO REPORT ~ なまはげ柴灯まつり2012 ~ 男鹿・秋田 |

2012-02-12
いよいよ「なまはげ柴灯まつり」のメインイベントです。
その前に、「柴灯まつり」が何のことだか気になる方のために簡単に説明をします。
「柴灯」は「せど」と発音し、柴(しば)をもやした神社の燈明やかがり火のことです。
(豆知識 1:”おじいさんは山へ柴刈りに”などで聞きなれている柴は、燃やせるような小さな雑木のことで、柴という植物があるわけではありません)
真山(しんざん)神社の境内では正月三日に柴灯による護摩焚きをし、その炎でお餅を炙りお山の神様へ献上する神事が行われます。野外で護摩焚きをすることを「柴燈護摩」といい、そこから「柴灯祭」になったのだと思われます。
この時、お山の神様のお使いとして「なまはげ」が山から下りてきます(神様の使いなので真山神社のなまはげには角がありません)。
この神事は平安末期の頃より続いているそうです。
もしかすると「神社で護摩焚き?」と思う方もいるかもしれません。
護摩焚きとは一般的に密教(大乗仏教の一派)の中に存在する、”仏教”の宗教行事です。室内または野外に護摩壇を作って火を点し、焚き木や護摩木、供物などをその炎の中に投げいれながら祈ります。
日本では天台宗や真言宗の寺院で行われています。
真山神社は平安後期の神仏習合(簡単に言えば日本古来の神道と仏教を融合してしまうこと。もともと修行に呪術的な要素のあった密教宗派は土着の宗教と結びつきやすかった)により比叡山延暦寺守護神の赤神明神と習合し神宮寺が作られます(その後南北朝時代には真言宗に転じます)。
そのため真山神社は天照大御神を主神にした神社ではありますが真言宗の行事である護摩焚きも行われているのです。
その真山神社の神事「柴灯祭り」と、男鹿の民俗行事「なまはげ」を組み合わせたのが「なまはげ柴灯まつり」です。内容は「柴灯祭り」に準じていますが、要するに男鹿の観光イベントとしてのお祭りです。しかし今年で49回目なので、今や秋田男鹿だけでなく東北の冬を代表するお祭りとなっています。
(豆知識 2:みちのく5大雪まつりは、「いわて雪まつり」「弘前城雪燈籠まつり」「横手かまくら」「八戸えんぶり」、そして「なまはげ柴灯まつり」です)




まず、参道の入口行われる「なまはげ入魂」。
なまはげに扮する若者たちが山から下りてきて石段にずらりと並びます。
神主により神(しん)の込められたなまはげの面を授けられ、その面を被って若者たちはなまはげになり再び山へ帰っていきます。(各村で行われる時も村の神社でお面を渡されます)

その後、「なまはげ問答」や「里のなまはげ紹介」、「なまはげ踊り」、「なまはげ太鼓」などが神楽殿や柴灯火の周りで行われます。
そしてクライマックス、「なまはげ下山」。
松明を掲げたなまはげたちが山の奥から現れ、次々と雪の斜面を下りてくるなまはげ。
巨大な柴灯火と松明の灯りに照らされたなまはげは、炎の周りを練り歩き、神主から餅を受け取って再び山へと帰っていきます。








どれもいかめしい顔をしているところが、観光向けな気がしました。
じっさいのお面はどちらかというとユーモラスですもんね。
でも雪の舞う中、炎に揺らめくなまはげは見ごたえがありました。
◎秋田冬の祭り◎
平成24(2012)年横手かまくらまつり・・・
「かまくらの声」
「かまくらまつり 2012」
「かまくらっこ」
平成24(2012)年なまはげ柴灯まつり・・他の記事は、
「なまはげ問答」
「なまコレ2012 1」
「なまコレ2012 2」
「なまはげ柴灯まつり2012」
「なまはげ誕生秘話(参考)」
/* ----- 男鹿市 - 秋田 - 2012 - Nikon D700 ----- */
by kidai_y
| 2012-02-21 22:20
| 写真・東日本大震災