2012年 02月 27日
PHOTO REPORT ~ 青白の世界 ~ 津軽・青森 |

2012-1-19_8:45
----- 以上くだくだしく述べて来たが、考へてみると、津軽といふのは、日本全国から見てまことに渺たる存在である。芭蕉の「奥の細道」には、その出発に当り、「前途三千里のおもひ胸にふさがりて」と書いてあるが、それだつて北は平泉、いまの岩手県の南端に過ぎない。青森県に到達するには、その二倍歩かなければならぬ。さうして、その青森県の日本海寄りの半島たつた一つが津軽なのである。昔の津軽は、全流程二十二里八町の岩木川に沿うてひらけた津軽平野を中心に、東は青森、浅虫あたり迄、西は日本海々岸を北から下つてせいぜい深浦あたり迄、さうして南は、まあ弘前迄といつていいだらう。分家の黒石藩が南にあるが、この辺にはまた黒石藩としての独自の伝統もあり、津軽藩とちがつた所謂文化的な気風も育成せられてゐるやうだから、これは除いて、さうして、北端は竜飛である。まことに心細いくらゐに狭い。これでは、中央の歴史に相手にされなかつたのも無理はないと思はれて来る。 -----(太宰治『津軽』より)
なぜか僕の中の津軽のイメージは雪景色だった。
「弘前ねぷた」や「五所川原の立佞武多(たちねぷた)」など、津軽には東北の夏を代表する大きな祭りがあるので一般的には夏のイメージが強いのかもしれないけれど、びゅうびゅう風が吹き荒ぶ一面の雪景色が見てみたかった。
10数年前に青森を訪れた時は7月の終わり頃で、無人駅で寝泊まりしながら旅行をするには最適だったけれど、もうすぐやってくる熱い季節を待ちながら目の前に迫っている一年に一度の祭りに向けて最後の力を溜めこんでいるようで、でもなんとなくまだ力の入らないような穏やかな雰囲気を感じたのだ。
津軽半島の厳しさはそんなものじゃあないと思った。
本州日本海側の北の果ての土地はこんなものではないと。
雪に覆われた寂しくも美しい場所なのだと。
あくまでも僕の個人的な思い込みなのだけれど・・・。
ようやく、吹雪いてはいなかったけれど白い津軽をみることができた。
しんとして、キリキリとこめかみが痛くなるように寒くて、一面に広がる雪の平野。
やはり津軽は美しかった。
実は昨年の暮れにも青森にいったのだが、その時は車の運転も躊躇してしまうような凄まじい地吹雪に遭い先へ進めなかったことがある。
これもまた僕が感じたかった津軽の厳しさだった。何といっても、息をするのも困難なくらいの吹雪きなのだ。
こんなにも冬に閉ざされた暮らしをしているのなら、それまで溜まったエネルギーを短い夏に一気に放出するような祭りが行われるのも分かる気がした。
多分、津軽は冬と夏を経験してみないと理解できないのかもしれない。
熱い熱い夏に、また訪れてみたい。



/* ----- 津軽 - 青森 - 2012 - Nikon D700 ----- */
平成24(2012)年津軽の冬編・・他の記事は、
「青白の世界」
「じゅうさんこのしじみ」
「道は竜飛へ」
「ほっかむりで」
「津軽のストーブ列車」
「津軽の笑顔」
「郷土富士のいわきさん」
by kidai_y
| 2012-02-27 21:19
| 写真:日本

