2012年 03月 30日
PHOTO REPORT ~ 今でも楽しみ ~ 永崎海岸・いわき |

2011-12-26_10:19
駐車場から砂浜へ降りる階段状の場所で何かを拾っているおじいさんがいた。
良く見ると、昔の缶飲料に付いていた切り離されるタイプのプルリングだった。今ではそのタイプの缶飲料などほとんど見かけないというのに、隙間からひょいひょいと拾っていた。
「この近くに住んでいるんですか?」と声を掛けた。
おじさんは最初誰に話しかけているのだろうというように僕を暫く見た後、「そうですよ」と言った。
「でも私の家はここから、ほら、向こうに見える高くなっている山(丘?)の方にあるので津波の被害は全くなかったんだ。でもこの辺りは道路が堤防のように少し高くなってはいるけど、道路を挟んだ町内は海と同じ高さか場所によっては低い所もあるから、どんどん波が入ってくるんだ、ここは」
すぐ向こうに見える住宅地を指さしながら言った。
「この海岸もね、きれいだろ?でもね、大潮になるとその階段のところまで波がきてしまうようになったんだ。人が集まる海水浴場なんだけど・・・」
「ああ、それは・・・」
「あれもね、沖に積んであるテトラポッドあるだろ?あれも津波でみんな砂浜に流されてきたんだ。見えるだろ?波打ち際に点々と黒いのが」
あれはてっきり自然の岩なのだと思っていたので驚いた。津波の威力はテトラポッドを移動させてしまうほどのものだったのだ。
「私は釣りが好きで。津波の時もこの先の港(中ノ作港)で釣りをしてたんだけども、まああれだけ揺れたらから、すぐに逃げようと車に乗ったんだが、慌ててしまってね、ブロックにぶつけてしまったんだよ」
とおじいさんは笑った。近くに止めてあるワゴン車のバンパーの端がへこんでいた。
「今も釣りをするんですか?」と聞くと、
「今でも楽しみだからね」
そう言っておじいさんはまた笑った。

2011-12-26_10:44

2011-12-26_10:52
点々と置いてある黒いものが流されたテトラポッド
/* ----- いわき市 - 福島 - 2011 - Nikon D700 ----- */
(前回の記事の補足・・・)
放射線は目に見えない・・・ということについてのネタでしたが、放射線を可視化する実用的な装置が開発されたそうです。
『「超広角コンプトンカメラ」による放射性物質の可視化に向けた実証試験について』
by kidai_y
| 2012-03-30 22:29
| 写真・東日本大震災

