2012年 05月 08日
PHOTO REPORT ~ 宵の桜 ~ 仙台市・宮城 |

2012-4-24_17:28
周囲の建物よりも頭ひとつ高く満開になると淡い白色の花がはち切れんばかりに広がるので、ついついそちらの方へ足が向いてしまう。
仙台駅から歩いて10分ほどの場所に立つ曹洞宗寺院「耕徳山 栽松院」境内の大きな桜の樹は、力強いというよりもどこか繊細な佇まいだ。
夕方の太陽はビルの陰に隠れてしまい、空はゆっくりと青みを増していた。すらりと天に伸びた幹や空に広がる枝の影と、辺りに微かに残っている光がそこに集まっているかのようにほんのりと明るく散らばる花弁とのコントラスト。春の宵なのに、なぜかちょっと物悲しい色だった。

栽松院は慶長6年(1601年)、この年に岩出山から仙台青葉山に居城を移し城下町を作り始めた伊達正宗によって創建されました。正宗の祖母である久保姫を供養するための寺で、栽松院は久保姫の戒名から取られたものです。
久保姫はたいそうな美人で、奥州一の美少女と言われたそうです。
岩城家(今の福島県いわき市辺り)から白河家(宮城県白河市辺り)へ輿入れが決まっていたのですが、鷹狩りの時に偶然久保姫を見て一目惚れをした米沢城主(山形県米沢市辺り)伊達晴宗(正宗の祖父)により婚礼行列の中から略奪され、晴宗の正室になりました。
当然久保姫の父親は激怒し晴宗から取り戻そうとしますが、どういうわけか娘の方から許しを請われ、また息子のいなかった父に対し長男が生まれたらその子を養子に出すという提案をされ、伊達家へ嫁がせることを承知したそうです。
まるでストックホルム症候群(誘拐された人質が誘拐犯と恋に落ち結婚してしまうこと)ですが、久保姫と晴宗は実際に仲の良い夫婦になったらしく11人もの子供を設けたそうです(もちろん長男は岩城家に養子に出されています)
それにしても、この誘拐がなければ伊達正宗はこの世に誕生していなかったんですね。

/* ----- 仙台 - 宮城 - 2012 - Nikon D700 ----- */
by kidai_y
| 2012-05-08 23:09
| 写真:日本

