2012年 06月 08日
PHOTO REPORT ~ 武家の古都の大仏は雨なんかに負けない ~ 鎌倉大仏@長谷 |
2012-5-12_14:18
野晒しの大仏様。
背中の小さな小さな羽根がキュートです。
像高が約11.3m、重量は約121tもある鎌倉の大仏さんは、正式には銅造阿弥陀如来坐像と言う高徳院のご本尊で、国宝にも指定されています。
建長4年(1252年)に造立が開始されたと伝えられていますが詳細は不明のようです。明応7年(1498年)の大地震による津波で大仏殿が破壊されてしまい、それ以来ずっと雨ざらしとなっています。
しかし、余計なモノを身に付けず黙って風雨に耐えながら衆生の願いに気を揉んでいる質素な姿は、どことなく武士のイメージと重なります・・・。
「武家の古都・鎌倉」
寺社などの歴史的建造物や、切り通しや港などの遺構を含めた広い範囲を「武家の古都」と位置付け、鎌倉市は来年の世界遺産指定を目指して予算を組み、様々な活動を行っています。
もちろん鎌倉大仏も世界遺産に含まれることになります。
古都京都の文化財を始め、古都奈良の文化財、日光の社寺、石見銀山遺跡とその文化的景観、カンボジアのアンコール遺跡、タイの古都アユタヤ、ネパールのカトマンズ渓谷、クロアチアのドブロブニク旧市街、パリのセーヌ河岸の歴史的建造物群、モロッコのマラケシュ旧市街など様々な世界遺産を訪れてきましたが、「武家の古都・鎌倉」のような抽象的な名前でこれといった代表的なシンボルがない世界遺産はあまりなかったような気がします。
昨年世界遺産に登録された奥州市の平泉は「平泉-仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群-」として登録され、鎌倉と同じような定義付けですが、「仏国土(浄土)を表す建築=中尊寺(の金色堂)、毛越寺(の伽藍、庭園)」など把握しやすい建物があります。
鎌倉の場合は対象となる文化財が市街地に点在することになるので京都や奈良と同じような雰囲気になると思います。
しかし武家の古都と銘打つからには観光客、特に世界遺産になって増加しそうな海外からの観光客の方々が鎌倉を観光して思わず「Oh! SAMURAI!」と言ってしまうような仕掛けがないと面白くないですね。外国の方はサムライ好きですしね。
鎌倉の歴史的建造物群に付加価値を付ける意味での「武家の古都」なのですから京都や奈良のお寺とさほど変わらないと思われてしまうと差別化できません。
何よりほぼ全ての世界遺産は「観光」するものですから「そこに訪れて、いろいろな光景を観て、楽しめる」ものでなければならないと思います。
これから世界遺産(予定)鎌倉にどういう仕掛けが登場するのか、楽しみですね。
/* ----- 鎌倉 - 神奈川 - 2012 - Nikon D700 ----- */
by kidai_y
| 2012-06-08 22:55
| 写真:日本