2012年 06月 28日
PHOTO REPORT ~ 盛岡冷めんのブランド力 ~ 盛岡@岩手 |

2012-3-20
一、地域ブランドとは --------------------
1、ある特定の地域で生産あるいは提供される商品等であって、
2、他の地域で生産あるいは提供される商品等と明確に差別化し、その個性について一定の肯定的評価が確立されている商品等、
のことを言います。
前々回の記事で地域ブランドは名乗りさえすればいいと書きましたが、やはりブランドの信用度を増すためには公的な保障が大切となります。
そのため最も効果的なのは地域ブランドとして「商標登録」をすることです。
商標登録をしてしまえば、その名称を独占的に使用することが可能になり、他の商品を排除することができます。
例えば、日本を代表する米である「コシヒカリ」の中国名「越光」は中国国内で既に中国企業によって商標登録されているため、「コシヒカリ」を「越光」という名前では売ることができません。新潟のJAなどが異議申し立てを中国当局に行ったものの、認められてはいません。
同様の問題は他にも数多くあり中国国内での法規制や意識向上が求められていますが、「米沢牛」はJAおきたま(川西町)の異議申し立てが認められ、中国での商標使用権が白紙になり、改めてJAおきたまが対応を検討しているのだそうです。
つまりこのように一度商標登録をしてしまえば、同業他社・他地域に対して非常に有利に販売することができるようになりますし、消費者にとっては信頼性を示すことになります。国内産の野菜の方が海外さんに比べて(価格は高いかもしれませんが)安全だというアピールになるのと同じようなことです。
二、地域ブランド登録の対象 --------------------
登録の対象とされるのは商標なので商品そのものではなく、その「商品の名称(文字)」や「共通して付けられる他と区別するためのシンボルマーク(文字と図形の組み合わせ)」になります。
地域ブランドは名称なので口で言うだけでも要は足りるのですが、商品として売ろうとするためには名称を目に見える形で示すことが必要となるので、文字やマークを登録する必要が生じるのです。
しかし、地域ブランドとしての商標登録が認められるのにはかなり高い審査基準が求められます。自称地域ブランドにまで簡単にお墨付きを与えるわけにはいきません。
「文字名称」が認められるには「全国的な知名度」が必要になります。どの程度の周知性が必要になるのかというと、「地域の特産品として教科書で紹介される程度」くらいの知名度です。
例えば「夕張メロン」や「西陣織」「宇治茶」などです。以前紹介した「前沢牛」も商標登録されています。
三、地域団体商標制度 --------------------
地域の産業や独自性を守り、発展させていくことに繋がる地域ブランドの存在価値は増す一方、商標登録制度の審査基準は厳しく、またシンボルマークなどは登録されたものと同じマークを使わなければ、他の地域のものを同じ名称で販売することができ、不十分なものでした。
そこで2006年に誕生したのが「地域団体商標制度」というものです。
全国的な周知性から複数県に渡る範囲となるなど審査基準が緩和され、商標の新規取得がしやすくなりました。
この制度により、日本各地に様々な「地域ブランド」が登場するようになりました。
つがる弘前農業協同組合(青森県)の「嶽きみ(とうもろこし)」、宮城県味噌醤油工業協同組合(宮城県)の「仙台みそ」、越前漆器協同組合(福井県)の「越前漆器」、三ヶ日町農業協同組合(静岡県)「三ヶ日みかん」(商標登録されていた「マーク」だけでは不十分だったため、名称を別途登録したケース)、長崎県菓子工業組合(長崎県)の「長崎カステラ」など他にも数多くの地域ブランドがあります。
四、盛岡冷めん --------------------
「札幌ラーメン」 「盛岡冷めん」 「信州そば」 「甲州ほうとう」 「名古屋きしめん」
「出雲そば」 「さぬきうどん」 「長崎チャンポン」 「長崎炒麺」 「沖縄そば」
盛岡冷めんは、日本各地に丸○○ラーメンや□□そばがある中で、公正取引委員会が指定した「名産・特産・本場・名物等の表示ができる、当該地で製造され、それぞれの基準に従った10品目の“めん類”」に含まれる、○○(岩手県)に商標登録された地域ブランドです。
半透明でコシのある麺が甘辛いスープに入っている冷麺は日本中どこででも食べられるものだと思います。僕は今までこれが一般的な冷麺で、韓国料理と共に韓国の冷麺が日本国内で同時多発的に作られ始めたものかと思っていました。
しかし昭和29年に盛岡で咸興風の冷麺が作られるまでは、平壌風というのが一般的だったそうです。その咸興風の冷麺が昭和61年、盛岡市が企画した「ニッポンめんサミット」に出品されたことから日本各地に知れ渡り、広まっていったのですね。
なので今まで盛岡以外で食べてきたのは、地域ブランドである「盛岡冷めん」風の冷麺だったということになります。
もともとは地域ブランド(当時はその制度はありませんでしたが)だったものが全国に広まって一般化してしまった珍しい例だと思います。
「盛岡冷めん」についていえば、そのおかげで「本家」や「本場」という付加価値がより高くなり、盛岡名物としての観光アピールに絶大な効果を発揮しています。
また品質を落とさないための基準を定めているため、消費者にとっての信頼性の証しともなっています。
地域ブランドの見本のような存在なんですね。
そしてもちろん、とても美味しいのです。

「ぴょんぴょん舎 盛岡駅前店」
住所 : 岩手県盛岡市盛岡駅前通9-3
時間 : 11:00~24:00 (ラストオーダー23:00)
定休 : なし
問合 : 019-606-1067
ホームページはこちら。
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by kidai_y
| 2012-06-28 20:34
| 食べ物:アジア

