2012年 06月 29日
PHOTO REPORT ~ かまくらブランド ~ 湘南@鎌倉 |

2012-5-12_18:42
一、地域ブランドが生まれる理由 --------------------
地域ブランドが生まれるには、大きく分けて2つのパターンがあります。
一、もともと特定の地域で生産・提供されていた独自性のある商品や役務が、全国的にも知名度が高まり「地域の名称+商品または役務の名称」と周知されるまでになった。
二、特定の地域で生産・提供されていた商品を、他の地域のものと差別化し消費者にアピールするために、商品名に地域の名称を組み合わせた。
どちらの場合も、他の地域の同じような商品(やサービス)と差別化を図り、希少価値を生み出し、商品価値を高めるというのが目的となります。
生産者側にとってみれば自分たちが作りだしたり提供したりするものに対しての責任感が大きくなり、意識向上にも繋がります。
そしてそれらは消費者にとっての利益ということになります。
二、ブランド化が始まり --------------------
しかし結局のところ、地域ブランドを登録するのがゴールなのではなく、それからがスタートなのだと思います。
ついつい名前で選んでしまうことがあるのは否定できませんが、品質や美味しさなど「そのものの価値」が伴わなければ消費者はいずれ離れていってしまいます。
○○(岩手県)の「前沢牛」や○○(愛媛県)の「今治タオル」
などは、商品の品質基準を高く設定し、ブランド名を付けるのに恥ずかしくないレベルの製品品質を保つような工夫や努力を続けています。
また、地域ブランドを確立して高い品質基準を設定し、安易な便乗商法や名前だけ使って品質が伴わない商品や業者を排除することは、過当競争や供給過剰、品質低下による消費者離れを防ぐことになり、ゆくゆくは自分たちの地域を守ることにもなります。
三、地域ブランドと観光地 --------------------
同じことは観光地にも当てはまります。
お土産ものや特産品、農産物や海産物などの食材、観光客相手のサービスや宿泊施設、そして自然環境や文化財、芸能など様々なものを含めた地域全体が、その観光地のブランド要素ということになります。
規模が大きくなればなるほど品質を維持することは困難になるでしょう。行政や当該団体だけはなく、まちをあげて、住民も一体となって考えていかなくてはならない問題なのです。
大分の「湯布院」は現在、西日本を代表する温泉の1つです。
もともと良質の温泉が湧いていた田舎の静かな町で、「自然景観」「農村景観」「文化」という地域の魅力を中心とした温泉地として知られていました。
1970年代から急速に「温泉地ゆふいん」として宣伝や企業誘致に力を入れ始め、観光客が集まるようになりました。2000年には年間400万人が訪れるまでになります
しかし「ゆふいん」ブランドの品質統制が後手後手に回ったため、大型の宿泊施設が乱立し、地域に全く関係のない「ゆふいん羊羹」や「ゆふいんネクタイ」などの「湯布院名物??」が無秩序に生産されて町じゅうに溢れ、観光客にとって一体に何が「湯布院らしさ」なのか分からなくなってしまう状況になります。遂には「行ってはいけない温泉地」として雑誌で取り上げられてしまうまでになります。
その後、2002年頃から「ゆふいん」の名称使用を届け出制にし、本来の「自然景観」「農村景観」「文化」を中心据えた「ゆふいんブランド」再生に取り組んでいます。
四、かまくらブランド --------------------
「武家の古都・鎌倉」として世界遺産を目指す鎌倉市、逗子市、
横浜市。
住んでいる方に話を聞いてみると、特に指定範囲外に住んでいる方は世界遺産登録についてあまり関心がないような気がします。
鎌倉は昔から有名な観光地だったので、「かまくらブランド」の管理ノウハウは確立していると思いますが、たまにこれって鎌倉名物なのか?と思うようなものが売られていたりします。
世界遺産に登録されることになると、今度は「かまくら」に「世界遺産のまち」という言葉が追加されます。世界遺産であることは間違いないのなら別に名乗っても構わないのですが、そればかりになってしまうと観光客の視点からすれば少々興冷めしてしまうかもしれません。
ついでに観光客の立場で言わせてもらうなら・・・
「手頃で古都を感じさせる宿泊施設を充実させてほしい」
「武家の発祥都市として「鎌倉おもてなし隊」が見てみたい」
「しらす丼を越えるような美味しい名物料理を考案してほしい」
世界遺産のメリットを最大限に生かし、地域ブランドとしての「かまくら」の良さを保ち、何度も訪れたくなるような魅力あるまちを目指した取り組みを期待したいですね。
(参考:財団法人 地域活性化センター「地域ブランド・マネジメントの現状と課題 調査研究報告書」(平成18年))

/* ----- 鎌倉 - 神奈川 - 2012 - Nikon D700 ----- */
by kidai_y
| 2012-06-29 22:08
| 写真:日本

