2012年 07月 05日
PHOTO REPORT ~ 武将や姫がおもてなしタイ ~ 青葉神社@仙台 |

2012-6-25_13:28
日本各地にいる御当地キャラクタ。
地域のシンボル・アイドル的な役割を担い、観光PRには欠かせない存在となっているものが多いですね。
お土産のパッケージに付ければ(地域に関係のない物品であっても)その地域の特産のように見えてきますし、キャラクタ自体が人気が出ればその関連グッズなどでの売り上げも期待できる優秀な営業マンといってもいいかもしれませんね。
「ゆるキャラ」というジャンルが一般化してしまっているので、落書きのようなデザインのものも中にはありますが、本来なら誰かれも好かれて飽きのこないキャラクタを作らなくてはなりませんし、当然オリジナリティも必要になってきます。
そんな中、地域を代表する実在した人物に注目したのが、「名古屋おもてなし武将隊」に代表される歴史上の人物で構成される「武将隊」や「おもてなし隊」です。
思えば以前から歴史的観光地やお城などには甲冑を付けた武将や着物姿の女性がいたことはいましたが、その一人一人を「キャラクタ化」して「パフォーマンス」をさせるというのはあまりなかったと思います。
その嚆矢となったのが、名古屋開府400年に合わせて2009年に結成された「名古屋おもてなし武将隊」です。
名古屋市が企画、「愛知県ふるさと雇用再生特別基金事業」を利用した「ふるさと雇用再生事業」で、運営は民間企業が行う官民一体となった事業でした。
折しも歴女ブーム、戦国時代を題材にしたテレビゲームでの武将のキャラクター化、イケメン、立ち回りなどのショー、個性的なキャラクタ(役者)などが上手く組み合わさって、爆発的な人気を獲得しました。
名古屋市が試算した2010年度の経済効果は、観光客の交通費や宿泊費、関連の民間イベント、広告の支出額などを合わせて約27億円、2010年度の名古屋城の入場者数は前年度の2割増加しています。
この「おもてなし隊」の成功を受け、日本各地に同じような「武将隊」や「おもてなし隊」が誕生しました(文末の一覧表参照)。
「白石戦國武将隊 奥州片倉組」のように市民ボランティアによる団体もありますが、その多くは「ふるさと雇用再生特別基金事業」「緊急雇用創出事業」を利用した事業として行われています。
地域観光の救世主のように誕生した武将隊やおもてなし隊ですが、果たして効果は出ているのでしょうか。
「奥州片倉組」や「名古屋おもてなし隊」はニュースでたまに目にしますし「奥州仙台おもてなし集団! 伊達武将隊」は宮城県の観光キャラクタ「むすび丸」が伊達正宗の甲冑姿ということもあり関連したPRを行っています。
しかし他の団体では政府からの支援を頼りにスタートした企画が多いため、約1年という期限付きの「ふるさと雇用再生特別基金事業」等の支援が無くなると活動を終了してしまうところも多いようです。
また支援終了以降は民営に移行し活動を継続する武将隊もありますが、例えば「名古屋おもてなし武将隊」ほどの実力がある団体でも、人件費等で年間約1億円もの運営費がかかるため容易ではないのが実情です。
「越後上越上杉おもてなし武将隊」の場合、運営を委託されていた民間企業により借金のカタとして債権者に一時譲渡されてしまったこともあります。現在は上越観光コンベンション協会が運営を引き継いで活動をおこなっています。こういう事態は観光PRどころか、地域のイメージダウンにつながりかねません。
その一方で、香川県の「丸亀城バサラ京極隊」は「ふるさと雇用再生特別基金」を活用した単年度事業としてスタートしましたが、武将隊のパフォーマンスやおもてなしが来城社に好評だったため継続が決定し、規模は縮小してしまったものの現在は市観光協会が運営を行っています。
もちろん武将隊やおもてなし隊の活動だけではもちろん成り立たず、直接活動を行う場所やそれを含めた地域全体が一体となった活動が必要なのは言うまでもありません。

「武家の古都・鎌倉」として世界遺産登録に奔走している鎌倉市には、まだ「武将隊」も「おもてなし隊」もいません。
そんな団体がなくても十分観光客が見込めるのでしょうけれど、そもそもが地味な世界遺産ですし、「人」を引き付けるにはお寺や切り通しではなく、魅力ある「人」や「キャラクタ」が効果的ではないでしょうか。
武将隊は戦国時代のイメージが強いですが、「ひろしま清盛隊」や「土佐おもてなし勤王党」が活動中ですし、「なんとなく歴史が学べる『戦国鍋TV』」でも鎌倉時代から幕末までを取り上げるようになったので鎌倉時代の武将でも構いません。
今のところ鎌倉市の公式キャラクタは3つ存在します。
「牛若にゃん丸、源ポン太、静姫」(かまくら3R推進マスコットキャラクタ)
「竜くん、タマナワくん、タマちゃん」(玉縄城築城500年祭マスコットキャラクタ)
「のんちゃん」(大船観音寺マスコットキャラクタ)
「鎌倉イイクニ武士(もののふ)隊(仮)」を事業化するには、既に終了してしまったふるさと雇用再生特別基金事業や緊急雇用創出事業を利用することはできないため、鎌倉らしい魅力的な企画を立て、安定した資金調達先や手段を確保し、効果的で継続的な運営を行い、地域観光や商業に好影響をもたらす事業にする必要があります。
キャラクタ作りや企画立案は行政主体だとどうなるか心配ですが、資金は日本の自治体の中で1、2位を争うほどの高額な職員給与と退職金をやりくりして地域に還元すると考えればどうにかなるかもしれませんね。
★全国各地の武将隊、おもてなし隊一覧 (2012年7月5日時点)★
※HPやブログなどが用意されていて、地域観光に協力している活動中の団体が中心です。
※歴史、武将、姫などのキャラクターを用いて活動している団体です。
※保存会や同好会のような規模は含んでいません。
※(カッコ)内の数字は活動を開始した時期です。
※「雇用」は厚生労働省のふるさと雇用再生特別基金事業、緊急雇用創出事業を元に始まったもの、「市民」は市民ボランティアが行っているもの、「役所・委託」は行政が主体となって行っている(と思われるもの)。
<東北>
・奥州仙台おもてなし集団! 伊達武将隊 (2010.8~) 雇用 : HP、ブログはこちら
・大崎 岩出山 伊達遊撃隊 (2011.3~) 市民 : HP、ブログはこちら
・白石戦國武将隊 奥州片倉組 (2010.9~) 市民 : HP、ブログはこちら
・秋田 観光武将隊「後三年合戦絵詞」 (2012.1~) 雇用 : 関連サイトはこちら
・戦国秋田 (2011.7~) 市民 : HP、ブログはこちら
・横手 武将パフォーマー 清原紅蓮隊 (2012.3~) 不明(多分市民) : 関連サイトはこちら
・山形おきたま愛の武将隊 (2010.7~) 雇用 : HP、ブログはこちら
・米沢・戦国 武士(もののふ)の時代、戦国の杜 (2010.3~2012.3) : HP、ブログはこちら
<関東甲信越>
・越後上越 上杉おもてなし武将隊 (2011.4~) 雇用 : HP、ブログはこちら
・越後胎内 百発百中!板額弓人(キュート)隊 (2012.1~)不明(多分市民) : 関連サイトはこちらやこちら
・信州上田おもてなし武将隊 「真田幸村と十勇士」 (2012.4~) : HP、ブログはこちら
・行田 忍城おもてなし甲冑隊 (2010.7~) 雇用 : HP、ブログはこちら
・風林火山 甲斐の虎武将隊 (2012.4~) 市民 : HP、ブログはこちら
・山梨県おもてなし隊!SHINGEN's : (募集中) 民間 HP、ブログはこちら
・国宝松本城おもてなし隊 (2011~) 雇用 : 関連サイト
・金澤百万石武将隊 (2011.10~) 雇用 : HP、ブログはこちら
<中部>
・名古屋おもてなし武将隊 (2009.11~) 雇用 (2012.4から民営) : HP、ブログはこちら
・岡崎 グレート家康公「葵」武将隊 (2011.4~) 雇用 : HP、ブログはこちら
・尾張一宮武将隊 () 市民 : HP、ブログはこちら
・あいち戦国姫隊 (2011.7~) 雇用 : HP、ブログはこちら
・清州城武将隊 桜華組 (2012.7~) 雇用 : HP、ブログはこちら
・長久手歴史トラベラーズ (2009.11~) 雇用 : HP、ブログはこちら
・関ヶ原東西武将隊 (2011.8~2011.12、2012年は年に数回公演) 雇用 : HP、ブログはこちら
・岐阜おもてなし武将隊(岐阜信長武将隊)信義徹誠軍 (2011.11~) 支援 : HP、ブログはこちら
・岐阜城盛り上げ隊 () 市民 : HP、ブログはこちら
・岐阜・天下布武隊 (2010.3~) 市民 : HP、ブログはこちら
<関西>
・神戸・清盛隊 (2012~) 雇用 : HP、ブログはこちら
・三重 安濃津戦国武将隊 (2012.3~) 市民 : 関連サイトはこちら
・姫路城 門番さくら組 (2011~) 市民 : 関連サイトはこちら
<中国・四国・九州>
・ひろしま清盛隊 (2012~) 役所 : HP、ブログはこちら
・宮島おもてなし隊 (2012.5~) 委託 : 関連サイト
・丸亀城バサラ京極隊 (2011.4~) 雇用 : HP、ブログはこちら
・土佐おもてなし勤王党 (2011.4~) 雇用 : HP、ブログはこちら
・幕末・維新 佐賀の八賢人おもてなし隊 (2012.2~) 市民 : HP、ブログはこちら
・熊本城おもてなし武将隊 (リニューアル中) 雇用 : HP、ブログはこちら
<その他>
・おもてなし武将隊 JAPAN : HP、ブログはこちら
「なんとなく歴史が学べる『戦国鍋TV』」・・・
tvk、チバテレビ、テレビ埼玉、サンテレビで放送されていた番組が、最近全国で見られるようになりました。
福井テレビでは木曜25:05から、TBC東北放送では日曜25:10から放送中です。
/* ----- 仙台 - 宮城 - 2012 - Nikon D700 ----- */
by kidai_y
| 2012-07-05 21:21
| 写真:日本

