2012年 08月 09日
PHOTO REPORT ~ 花ハスと水と泥 ~ 登米@宮城 |

2011-8-14
伊豆沼は、宮城県栗原市と登米市にまたがる大きな沼です。
8月に入ると、沼は花ハスで一面覆われてしまいます。
とにかく見渡す限り大きな緑のハスの葉が広がり、点々と咲いたピンクのハスの花が沼に彩りを添えます。
今の時期は遊覧船も出ていて、ハスの森の間をゆっくりと進む舟から間近でハスの花を楽しむことができるようです。


「泥中の蓮」という言葉があります。
ハスは濁った泥の中から成長して清楚な花を咲かせることから、「世間の汚れに染まらないで清く生きること」という意味として使われます。
多くの花ハスが花を咲かせる伊豆沼ですが、実はその水は実際にかなり水質が悪いのです。
環境省 水・大気環境局が発表した「平成22年度公共用水域水質測定結果」(平成23年11月)によると、平成22年度の伊豆沼のCOD値の平均は「8.6」となっています。
CODというのは、海域と湖沼の環境基準に用いられている科学的酸素要求量のことです。
水中の有機物が酸化剤によって酸化されるときに消費される酸素量を示し、この値が高いと水中に有機物が多く含まれることになります。水中の有機物というのは、主に生活排水や汚水、動植物などの屍骸などに起因するものです。
人里離れた湖でも落ち込む枯葉などが多いと有機物量が高くなるので一概に水質汚染の基準とすることはできないこともあるそうですが、一般的にはCOD値を目安としています。値が高いほど有機物で汚染されているということになります。
CODが8.6と言われても一体どれくらい汚れていることになるのかよく分かりませんが、同じ平成22年度の一番COD値が低かった湖は北海道の支笏湖の「0.6」です。
参考までに、仙台市の水がめと言われている釜房ダムでは「2.5」となっています。水道水では「2」、食器洗い用石鹸「10」、しょうゆ「50」、魚が住むためには「5」以下が必要とされています。
COD値が低い湖沼(COD、mg/L)(数字は年間平均値)・・・・・・・・・・
平成21年度
1、支笏湖(北海道) 0.6
2、深山ダム貯水池(栃木県) 0.8
3、然別湖(北海道) 1.4
平成22年度
1、支笏湖(北海道) 0.6
2、然別湖(北海道) 1.7
3、川治ダム貯水池(栃木県) 1.8
COD値が高い湖沼・・・・・・・・・・
平成21年度
1、伊豆沼(宮城県) 10
1、北浦(茨城県) 10
3、霞ヶ浦(茨城県) 9.3
平成22年度
1、長沼(宮城県) 11
2、漆沢ダム(宮城県) 9.3
3、常陸利根川(茨城県) 9.2
伊豆沼には生息する水鳥も多く、紹介したように花ハスなどの植物も多いので、水中の有機物の量も増えてしまうのでしょうが、やはり周辺地域から流入する生活排水などが大きな原因になっているのだと思います。
泥だけではなく、日本で有数の汚い水質という困難な条件の中で成長し、綺麗な花を咲かせている伊豆沼の花ハス。
今でも十分見応えがありますが、水質が改善された澄んだ水から咲く日が来るといいですね。

宮城県栗原市ホームページより
「伊豆沼・内沼について」
「伊豆沼・内沼はすまつり」
宮城県登米市ホムページより
「伊豆沼・内沼紹介」
「伊豆沼・内沼はすまつり長沼はすまつり」
/* ----- 栗原市 - 宮城 - 2012 - Nikon D700 ----- */
by kidai_y
| 2012-08-09 22:33
| 写真・東日本大震災

