2007年 08月 18日
旅文 01-02 「ビザ取り 前編」 |
-バンコク
バンコクにあるカンボジア大使館は少し分かり難い場所にある。15番の市バスに乗れば、すぐ近くに停留所があるので楽に行けたのだが、それに気が付いたのは後になってからだ。
この日はまず、市バスを乗り継ぎ大使館から相当離れた大通りにある地図上で目印と決めた建物付近で降りる予定だった。しかし初めての場所なのでその降りるべき目印の建物がどれかすら分からなかった。バンコクのバスは日本のように停留所の手前で名前をアナウンスすることなどないので、自分が降りるべき地点に近付いたら降車ボタンを押して運転手に主張しなくてはならない。車掌に頼めば教えてくれたりもするのだが、言葉が全く通じないことや、巧く通じたと思っても実は通じていなくて、とんでもない場所で降ろされたりする場合もままあった。
吊革に掴まり背を屈めて窓の外の街並みを確かめながらきょろきょろしていると、水色のノースリーブを着た学生風の若いタイ人女性が英語で「何処で降りるのですか?」と聞いてくれた。目印としていた場所の名前を言って、僕の感覚ではそろそろ着きそうだったので「もうすぐ?」と尋ねると、「まだ先です。2本目の交差点の次の停留所で降りればその傍ですよ」と教えてくれた。僕は柄にもなくにっこり笑って礼を言った。
だがちょうど交差点を横切っている時だったので、今の交差点から2本目なのか、次の交差点から2本目なのか判断できなくて、もう一度聞こうと思って彼女を探すと、今まさに長いストレートの髪をかきあげながらバスを降りるところだった。仕方なく、行き過ぎるよりはマシだろうと先程の交差点から2本目の停留所でバスを降りた。しかしどうやら間違ったようで、降りる予定だった場所ですら大使館まではかなりの距離があったのに、さらに豪く遠回りをする羽目になってしまった。

~~続く。
by kidai_y
| 2007-08-18 23:58

